失敗から実感した、
コミュニケーションの大切さ。
新人の頃、ある倉庫の電気工事を担当しました。それほど大規模の工事ではなかったので、経験の浅い私でも順調に進めることができていました。そこで、甘く考えてしまったのかもしれません。建築関係の工程が予定より早まったのに、電気工事の作業がついていけず、全体の進行を遅らせることになってしまったんです。
スケジュールが変わった段階で、すぐ周りの協力会社に相談すれば良かったのかもしれません。先輩にも報告し、アドバイスを仰げばよかった。しかしその時は自分一人で考え込んでしまい、最初に決めた工程を守ることに固執してしまったため、結果としてうまくいかなかったのです。建築工事を担当する業者さんに連絡し、スケジュールを待ってもらって何とか間に合わせることができました。この失敗から学んだのは、一人で抱え込まず、周りとのコミュニケーションを取ることがいかに大切か、ということです。
誠意をもってあたれば、
協力会社のスタッフは応えてくれる。
現場で出会う協力会社のスタッフの多くは、私より遥かにキャリアの長いベテランです。彼らからすると、私など子どもに見えるかもしれません。しかし、未熟であっても、真剣に現場を見て、品質の高い工事を実践しようという姿勢があれば、協力会社の方々は応えてくれます。当初はそっけない態度だった協力会社のスタッフが、工程の進行に合わせ、こちらの話を熱心に聞いてくれるようになるのを見ると、自分の努力が認めてもらえたのかな、と感じます。
施工の過程では想定外の問題も発生します。それでも何とか完成までたどりつき、現場を施工主さんに引き渡す時は、ホッとしますね。各工程で起こった苦労が思わずよみがえってきますよ。それらの苦労の数だけ、自分のスキルが上がっていると手応えを感じます。
数百人が動く現場を
管理することも。
今、進めているのは呉地区のトンネル内電気工事です。私を含め5名の施工管理スタッフで担当しています。現場で関わる協力会社のスタッフは、時期にもよりますが、トータル400~500人というところでしょうか。
トンネル工事は、材料や設備が特殊になるケースが多いんです。例えばケーブル一つをとっても特注品だったりします。トンネルの形状を精密に測量、それに合わせたケーブルをメーカーにわざわざ造ってもらうんです。特注品なので当然、納品まで通常より時間がかかります。そういった時間もあらかじめ折り込んで工程を組まないといけません。一口に電気工事と言っても、現場によって本当に千差万別です。
担当する全ての現場で質の高い工事を積み重ねていきたいですね。その経験が、電気施工管理としてのスキル向上につながっていくと思います。